男性生殖器といえば、体の外に出ているペニスや陰嚢ばかりが目立ちますが、それだけではありません。本当は体の中に隠れている器官こそが男性生殖器の本体であり、それなしには語れません。自分はこの体内にある生殖器官の構造と機能に非常に惹かれます。ペニスが好きという人はたくさんいるでしょうけど、内部器官が好きという人はあまりいないと思います。それが男性生殖器フェチたる所以です。

2つの機能を兼ねる複雑さ
男性生殖器の最大の特徴は尿路と精路を兼ねているということです。尿も精液も同じ尿道を利用してペニスから排出されます。これは女性にはない男性だけの特徴で、このことが生殖器のしくみを非常に複雑にしています。別々にすればもっと単純になるのに、なぜわざわざこんな複雑な構造にしたのかは生物学上の謎です。
排尿時
排尿時の尿の通り道は非常に単純です。膀胱の出口と前立腺の下部にそれぞれ尿道括約筋があり、普段は固く閉じています。それを開放するだけで尿は腹圧と重力によって自然に尿道へ排出されます。ちょうどバルブを開ければ蛇口から水が出るのと同じ原理です。
射精時
射精のときは排尿時とは違って非常に複雑かつ能動的な動きをします。すべて筋肉の働きによって成り立っていると言えるでしょう。
射精の直前に精巣上体に蓄えられていた精子が精管を通って一気に前立腺の後ろ側にある精管膨大部まで移動します。精子は自分自身では動けないため、精管の蠕動運動によって強制的に運ばれます。
膀胱の出口にある内尿道括約筋と前立腺下部にある外尿道括約筋が同時に収縮して尿路を完全に閉鎖します。これは精液が膀胱内へ逆流しないようにするためです。前立腺を貫く尿道は閉鎖された空間となり、この中に前立腺から分泌された前立腺液が充満し内圧が高まります。
前立腺内の内圧が高まると外尿道括約筋が開放され、同時に前立腺自身が収縮して尿道に充満した前立腺液を押し出します。その後、外尿道括約筋はいったん閉じられ、前立腺内は再び閉鎖した空間となります。
続いて精管膨大部に待機していた精子はその収縮によって射精管を通って前立腺内へ流れ込みます。同時に精嚢に蓄えられていた精嚢液も合流して混ぜ合わされ精液となります。
こうして前立腺内の尿道に充満した精液は外尿道括約筋の開放と前立腺自身の収縮によって尿道へ送り出されます。そして外尿道括約筋が再び閉鎖されて新たな精液が流れ込んできます。このように外尿道括約筋の開放と前立腺自身の収縮が完璧なタイミングでシンクロして精液の充満→放出というサイクルが十数回にわたってリズミカルに繰り返されます。
排尿時と比べて何と複雑なシステムでしょうか。これらはすべて筋肉の動きによって成り立っているものであり、それを完璧なタイミングで制御している肉体の素晴らしさに感嘆せざるを得ません。
精液の通り道が尿路と共通であるために膀胱の出口を閉鎖したり、精子を酸性の尿から守るためにカウパー氏腺液を分泌する必要があるわけで、なぜこんな複雑な構造にしたのかは謎としか言いようがありません。それがまた男性生殖器の魅力でもあるわけですが。
勃起のメカニズムの巧妙さ
ペニスの本来の目的は精子を腟内へ送り込むことですが、そのためには固く勃起する必要があります。しかしこれも考えてみれば不思議なことで、初めから固くしておけばいいのに、わざわざフニャフニャ状態からガチガチに「変身」させる必要がどこにあるのでしょうか?
しかも勃起のメカニズム自体が非常に複雑かつ巧妙なもので、デリケートな一面を持っています。大変壊れやすく、ちょっとしたことで勃起しなくなるのです。そのことが多くの中高年を悩ませるわけです。
勃起のメカニズムには筋肉は一切関与しておらず、血管の拡張と収縮によってのみ成り立っています。詳細な説明は省略しますが、ペニスの海綿体組織に流れ込む血液量が増加する一方、出ていく血液量が抑制されることによって海綿体内に血液が滞留し、膨張するわけです。つまり血管の拡張と収縮が同時に起こらなければいけないわけで、非常に微妙なバランスの上に成り立っています。血管系にトラブルが生じると勃起がうまく行かないこともあり、大変デリケートなものです。
柔らかくなったり固くなったり、普段はおとなしいペニスが巨大化して凶暴化するという変幻自在さが男性生殖器の魅力なのです。
構造の対称性と配置の絶妙さ
男性生殖器の役割とは、遺伝子情報を持った精子をペニスから送り出すことです。外面的に考えれば、精巣で作られた精子がペニスの尿道口から出ていくわけで、起点と終点は近いところにあるように見えます。
しかし実際はそんな単純なものではなく、精子の通り道は精巣から体内を大きく迂回して尿道へつながっています。その全長は数十センチにも及ぶもので、その間にいろいろな分泌液を混ぜられて精液となるわけです。精管が膀胱の前側から後ろ側へ回り道するところなど、非常に巧妙な作りに感嘆します。
そして対称性という面からも興味深いですね。左右対称に2つある器官には、精巣、精巣上体、精管、精管膨大部、精嚢、尿道球腺があります。2つあるということは片側が壊れてももう一方でバックアップできるように冗長性を持たせているということでしょう。それだけ重要な器官だということです。一方で1つしかない器官には前立腺、尿道、ペニスがあります。これらが重要でないというわけではもちろんありませんが、すべて「出口」であるという特徴があります。前立腺も多くの成分を混ぜ合わせて精液を作るという役割があることから出口と考えられます。前立腺は尿道の一部と考えて差し支えありません。
そうすると、精液の生産に関わる器官は2つにして冗長性を持たせておき、最終的には1本の尿道にまとめるという生物の戦略が見えてきます。男性生殖器とは非常に緻密に設計された生体システムであり、そういうものが自分の体の中にあることをとても喜ばしく思います。



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