若い頃は勢いよくドピュ!と射精したのに、最近射精の勢いがなくなったと感じている方はいませんか? 筆者もそうだったのですが、実は射精は筋肉の働きが関係しているので、ある筋肉群を鍛えると勢いが復活することもあります。それには射精のしくみを知って鍛えるべき筋肉を意識することが効率的です。ここでは筆者が実践した射精筋群トレーニングの方法について解説します。
やろうと思ったきっかけ
30代前半くらいの頃だったと思うのですが、最近射精の勢いがなくなったなと思ったことがありました。もともとそんなに飛ぶ方ではなかったのですが、それでも20代の頃は仰向けに寝た状態でみぞおちまでは飛ばすことができました。年齢とともに勢いがなくなってくるのは仕方がないのでしょうが、勢いというよりは精液の出方が悪くなっているのが気になりました。普通、最初は約0.8秒間隔でドクッドクッと数回出た後、徐々に遅くなっていくのですが、最初の一発目がピュッと出た後、5秒くらい空けてから二発目がドロッという感じで出てくるんですね。さすがにこれには衰えが来たのかと真剣に悩みましたが、射精しても何か中途半端な感じで快感があまりないんですね。たとえて言えば残尿感みたいなものでしょうか。たまにそうなるというんじゃなくて、いつもそうなんですね。まあそういう事情があって、自分で何かできないかと思って始めたのが射精筋エクササイズです。
射精の勢いを決める筋肉
射精というのは筋肉の収縮によって起こるのですが、詳しいメカニズムは射精のしくみをご覧下さい。この中で射精に直接関わっている筋肉は前立腺を構成する平滑筋群とペニスの根元を取り巻いている球海綿体筋の二つです。
このうち射精の勢いを決定づける最も大きな要因は前立腺の収縮力だろうと思われます。なぜなら前立腺は自ら収縮することにより精液を充填して放出するという一連の動作を行う発射装置になっているからです。したがって精液を遠くまで飛ばす人はもともと前立腺の収縮力が相当強いのだろうと考えられます。しかし前立腺は自分の意思で動かすことはできませんから、意識的に鍛えようと思っても無理です。強いて言えば、前立腺の収縮力を維持するにはできるだけ射精を多くして、前立腺を活発に動かすしか方法はないと思います。
一方、球海綿体筋というのはペニスの根元にある尿道球海綿体と呼ばれる部分を取り巻いている筋肉で、尿道を伸縮させることにより精液をさらに加速して尿道口まで送り出す二次ポンプの役割をしています。考えてみれば射精というのは大変な大仕事なのです。排尿のときは尿道括約筋を緩めるだけで膀胱の内圧と重力によって自然に排出されますが、射精のときはペニスが勃起して尿道が圧迫されており、しかも長くなっています。そこを重力に逆らって粘性の高い精液を通過させなければならないのですから、大変強い力を必要とします。その役割を担っているのが球海綿体筋です。この筋肉は意識的に動かすことができるため、ここを鍛えれば射精の勢いを取り戻すことがある程度可能だろうと考えました。
オーガズムと球海綿体筋
射精時に起こるオーガズムは球海綿体筋の収縮と密接に関係しています。球海綿体筋がリズミカルに力強く収縮することによって心地良いオーガズムを感じるのです。性に目覚めた頃のめくるめく快感を取り戻すには、球海綿体筋を鍛えて収縮力を強化することが欠かせません。
球海綿体筋のトレーニング方法
まず球海綿体筋がどこにあるかですが、前に出した図をもう一度載せておきましょう。図の赤く塗られた部分が球海綿体筋です。
球海綿体筋は皮膚に近いところにあるので、自分で触って確かめることができます。会陰部と呼ばれる陰嚢の付け根の部分がやや丸く膨らんでいますが、その下に球海綿体筋が存在します。よくPC筋と混同されるのですが、PC筋というのはもっと体の深い部分にあって外から触ることはできません。またPC筋はオシッコを止めるときの筋肉と言われていますが、射精を意識的に食い止めてドライオーガズムを得るための方法で登場するようです。勃起力の向上には効果があるようですが、射精の勢いとは直接関係がないと思います。
球海綿体筋を動かすにはどうするかですが、肛門を締めるように力を入れると自然に動くと思います。陰嚢の付け根を指で押さえながら肛門を引き締めてみると、ピクピク動くのがわかると思います。また球海綿体筋を引き締めるたびに勃起力が増してペニスは一段と固くなり、角度も上向きに跳ね上がるはずです。もともと球海綿体筋はペニス根元を引き締めることで血液の戻りを阻害し、勃起力を増す働きがあるのです。興奮してくると反射的に球海綿体筋が収縮する現象も見られます。よくわからない人は射精のときに会陰部を指で押さえてみて下さい。射精に合わせてドックンドックンと規則正しく収縮しているのがわかります。
このあたりは自分もよくわからないのですが、おそらく会陰部に存在する球海綿体筋、PC筋、肛門括約筋などはある程度連動して動いているのだと思います。よくPC筋を鍛えると言われますが、PC筋だけを独立して動かすことは不可能で、他の球海綿体筋なども一緒に動いているのでしょう。だからPC筋を鍛えることが球海綿体筋を鍛えることにもつながるのだと思います。
球海綿体筋の場所がわかったら、それを意識しながら2秒程度ギューッと収縮させてみて下さい。収縮させてはまた緩めることを30回程度繰り返します。他の筋トレ一般についても言えることですが、筋肉を鍛えるための原則が三つあります。
- 鍛える筋肉を意識する。
- 収縮を長時間持続させる。
- 息を止めない。
これは球海綿体筋のトレーニングにも当てはまります。まず球海綿体筋のある場所をはっきりイメージして下さい。他の場所を動かしても意味がありません。わかりにくい人は指で押さえて確かめながらやると良いでしょう。そしてトレーニングに慣れてきたら、今度は10秒程度収縮を持続させるエクササイズを行います。最初これはなかなか難しいと思います。10秒といえども持ちこたえられないものです。しかし、これも慣れてくるとだんだんできるようになります。そこまでできれば球海綿体筋はかなり強くなっていると思います。
このトレーニングは道具も使わないものですから、やろうと思えばいつでもどこでも可能です。立っていても座っていても寝ていても構いません。別に一日何回というわけでなく、思いついたときにやればいいのです。その他、オシッコをするときにもちょっと意識すればトレーニングが可能です。オシッコを切るときに、球海綿体筋を意識して最後の一滴まで残らず絞り出すようにすると良いトレーニングになります。自分は無意識にそれをやっていたので、自然に鍛えられたようです。
そんなトレーニングをしばらく続けた結果、射精が遅れるような現象は解消されたようです。ただ、飛距離そのものが伸びるようではないようです。